我が家が手作りに替えたワケ

■Private Story

「このかゆかゆはいったい何なんだろう?」
私たちが食餌を見直すきっかけになったのは、我が家のロッタのアレルギー症状でした。私たちはどのような経緯で手作り食に辿り着いたのか。その経験談を以下に紹介させていただきます。
注)ここに掲載している情報は、あくまで個人の経験談と考え方です。

『我が家のかゆかゆストーリー』
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vol.1 「それは突然やってきた!」

『 痒いっ~~よ~~~!! 』

ボリボリボリボリボリ・・・・

ある日、ロッタは猛烈に体を掻き始めました。
徐々にその痒みは体中に拡がり、掻きかたも激しさを増していきました。 見かねて掛かりつけの病院に連れて行くと・・・

患部に菌類などの影響は見られず、
「アレルギーっぽい症状ではあるけれどもハッキリしません。」
という診断でした。

「掻き壊してしまうと直るものも直らないので・・」
という説明で注射!を打たれ、なにやら薬(抗生物質)を出されました。

病院に行った直後には、薬が効いているのか注射が効いているのか…
症状はすっかり治まってしまいました。
その時はもう直ったのかと思いました…。

ところがです!これが、問題の始まりだったのです。
2週間もすると、また以前の症状がぶり返してきました。

顔周辺、脇の下、足、足先などの痒みを訴えはじめ、
徐々に足の毛や脇の下の辺りの毛がまばらに抜けて薄くなっていきました。

再び病院に行くと、前回と同様の処置をされ、また薬を出されました。
そして、今度は・・・

「アレルギーの可能性が高いので、アレルゲンの疑いがあるものを排除しましょう。」

ということになったのです。

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vol.2 「疑わしきは排除せよ!」

「ちょ、ちょっと、おとうちゃん!なにいろんなもの片付けてんの~?
  あっ!それあたしのお気に入りのおもちゃじゃないよ~
  どこにしまっちゃうのよ~~!や~め~て~よ~!」

ところで、
アレルゲンになりやすい物質といっても、実に様々なものがあります。

肉類(牛・豚・鶏その他)、乳製品、卵、大豆、小麦、米などの食べ物、
ノミ、ダニ、カビ、ハウスダスト、排気ガス、花粉などの環境物質、
薬、ワクチン、合成添加物、合成繊維、染料などの化学物質、
ステンレスなどの金属、さらに草や樹木など・・・

あげるときりがないくらい・・
身の周りのありとあらゆるものにその可能性があるようです。

私たちは素直に獣医の言うとおりに実践していきました。

家の中をなるべく清潔に保ち、
部屋では空気清浄機を使い、

まずは
・接触性アレルギーが疑われれるプラスチック製品(食器、おもちゃなど)を排除。

続いて、対象を食べ物に広げ、
・乳製品、ジャーキーその他のおやつ類、ガム・・・etc

と、次々と排除していき、結局食べ物は当時食べていた自然食ドライフードのみになりました。
おやつは一切なしです。

さらに、散歩時に草むら等に入らない、なるべく花粉を避ける・・・・などなど

この間、同時に外側の見える部分のケアとしては、
・・・薬用シャンプーによる口周辺の洗浄、清潔に保つための頻繁なシャンプー、
カモミールエキスを入れたお湯浴び・・・それなりにやりました。

こうして疑わしい身の回りのものを排除し数ヶ月が経過したでしょうか・・・

しかし、問題はなかなか解決しませんでした。
通院後、数週間経過すると再び症状がぶり返すということの繰り返しだったのです。

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vol.3 「アレルゲンフリー療法食?」

その後、私たちは獣医に勧められたアレルゲンフリーの療法食(ドライフード)を試してみることにしました。

なぜ私たちがこのアレルゲンフリーの療法食への切り替えを決めたかといいますと痒みを何とかしてあげたかったこともありますが、原因が本当に食物アレルギーなのか確信を得たかったからなんです。

それではこのアレルゲンフリーの療法食オンリーに切り替えたその後、ロッタの症状は果してどうなったのでしょう?

この療法食、最低でも2ヶ月以上食べ物をこれオンリーで続けないと効果がわからないということでしたので、しばらくは食べ物の楽しみの少ない我慢の日々がまた続くことになりました。

普段、我が家ではご褒美にはおやつを使わないのでさほどおやつは食べさせていない方だと思いますが、さすがにまったくナシというのはこちらもなんとなくつらいものがありました。

約3~4ヶ月程続けたでしょうか…

しかし、残念ながらその期間中に特別大きな変化は訪れませんでした。
原因が食べ物なのかどうかも結局分からずじまいでした…

その後、
こうして療法食を食べながら、定期的に通院する日々を送るなかでロッタではなく私の方にむしろ大きな変化がおきました。

それはどういうことか?と言いますと、
私の「犬の食餌」に対する考え方に大きな風穴が空いたのです。

犬のアレルギーや食餌に関する様々な書籍を読んだり、人の意見を聞いたりしているうちに、私の考え方も変わっていきました。

このまま、療法食と病院の薬を使い続けても事態が好転するとはとても思えませんでしたので、食餌を見直して、時間がかかってもロッタの体質を改善していく方が得策なのではないかと考えるようになったのです。

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vol.4 「病院の対応への疑問」

同時に、病院の対応にも疑問を感じるようになっていました。

ご存知のように現代の日本での医療は、人間も動物も西洋医学の流れが主流です。西洋医学は、多くの場合、対症療法が基本形になっています。
対症療法というのは、現在現われている症状に対して、それを軽減していくことに主眼をおいているアプローチの仕方をいいます。

この方法だと、表に現われていた症状が改善されていくので一見直ったように見えます。

しかし、何故その症状が現われてきたのかという根本の原因の部分を解決していくわけではないので表面的に直ったように見えるだけで、むしろ問題を複雑にしてしまう可能性があります。

さらに、表面の症状に注目して薬でその症状を抑えていくため、その動物本来の自然治癒力をむしろ弱めていってしまうことがあります。
大袈裟にいうと、薬なしではどうにもならない個体をつくってしまう危険性があるということです。

本来、多くの症状は、病気の原因を取り除こうとする生体の正常な反応の結果なのです。

発熱は、体に侵入した病原体を排除しようとする防衛反応であり、下痢や咳も同様で外敵をいち早く体外に排出しようとする正常な体の反応なのです。

その大切な生体反応を抑えてしまう事は、原因を取り除くのを遅くしてしまう恐れがあります。
言われてみればそんな気がしませんか?

前述した我が家のロッタの病院通いの部分で、既にお気付きの方もいらっしゃるでしょう。

行く度に一見直ったように見えるのに、数週間後にまたぶり返すという繰り返し。
これがまさに、表面の症状を薬で抑えているだけで、根本的には何もよくなっていない状態だったといえるでしょう。

ロッタが痒みで病院に行くたびに打たれていた注射は、お察しのとおりステロイド剤です。
ステロイド剤がどういうものかといいますと、

ステロイド剤とは別名、副腎皮質ホルモン剤と呼ばれている薬です。
本来副腎が作り出しているこれらのホルモンを代わりにつくってくれるのがステロイド剤です。
ステロイド剤を使うとかゆみは治まります。しかし、これは一時的な効果にすぎません。

ステロイド剤は皮膚炎を抑える薬であって、治す薬ではありません!
使い続けると、個体の副腎が機能しなくなり、ステロイド剤なしでは生きていけない体になってしまうこともあるんです。

人間でもアトピーでお困りの方が、ステロイド剤をめぐっていろいろ苦労なさっているお話をよく耳にしませんか?

動物の皮膚は、解毒器官です。
掻き壊すくらい皮膚が痒くなっていたのは、おそらく体が自らの中にたまった毒を外に排出しようとしていたのでしょう。

それなのに、そのカユミだけを薬で抑えてしまったらどうなるでしょう?
解決にならないばかりか、むしろ悪影響がでる可能性も否定できないのです…。

かかりつけの動物病院では、
「まずは症状を鎮めないと長引きますので…」
という説明のもとあっさりと使用されていました。

そんな病院の対応に、私たちは遅ればせながら不信感を抱きはじめました。
徐々にその気持ちは強くなり、他の病院に行って相談したりもしました。

そして、私たちはひとつの結論に達しました。

少しずつでも食餌を変えて体質改善を図り、なるべく薬に頼らないスタイルを目指そう!と。

西洋医学の流れを否定するのではなく、見方を変えて自然治癒力の向上にもっとフォーカスしてみよう。
そして、できるだけ“いいとこ取り”をしようという考えに変わってきたのです。

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vol.5 「手作り食トライ&エラー」

『わーいわーい手作り手作り~!もう我慢できないわ!ソワソワ、じゅるるぅ~』

ところで、手作り食に関しては様々な意見があり、
どの考え方を参考にしようかと迷ってしまうこともあるかと思います。

穀類を中心にした食餌をすすめている方もいれば、獣肉中心の食餌をすすめている方もいらっしゃいます。

私たちは、なんとなく肉中心の食餌の方が自然で受け入れやすかったので
肉を中心に考えていくことにしたのですが、何肉を何グラム・・・とローテーションを考えていると、とっても大事なことを忘れていたことに気付きました。

「あっ!なんで今まで気が付かなかったんだろう!」

・・・それは、私たちの身内が精肉会社を経営していることをすっかり忘れていたのです。


同じ種類の肉、同じ種類のたんぱく質ばかり食べ続けるのは良くないといわれています。

肉を中心にした手作り食にする場合、何種類かの肉をローテーションさせていかなくてはならないのですが、近所のスーパーなどに売っている肉だけだと脂身の少ない肉を選んでバリエーションをもたせるのはなかなか難しく、ワンパターンになりがちかもしれません。

お財布に余裕のある方はいいのですが、例えば人間用の牛肉などは高価ですから普通はそうそう食べさせられないのではないでしょうか?

その点、身内にお肉屋さんがいた私たちはラッキーでした。
馬肉などをまとめて注文して冷凍庫にストックすることができたんです。
(そして、このショップでみなさんにもお肉を提供させていただくことが
 できるようになりました。)

こうして、自分たちなりのプチ手作り食がスタートしました。
肉、野菜、穀類、果物、油、魚などを組み合わせてトライアンドエラーを繰り返し、だんだん手作りにも慣れていきました。

夜は肉中心の手作り食。
朝は穀類と手作り素材の組み合わせ。このようなパターンで現在も進行中であります。

あーでもないこーでもないと悩みながらも半分楽しみつつ、ロッタの体に合った食餌を模索して日々手作りに励んでおります。

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vol.6 「手作りの恩恵~食べる喜び(完結編)」

手作りを導入し始めてから半年ほど経過したでしょうか。
ロッタのカユカユの症状は、まったくなくなったわけではありませんが
以前に比べてだいぶ治まってきました。

本当は、すっかりよくなりました・・といいたいところなんですが、現実はそう甘くないといいますか、正直そのような状況です。でも、掻き過ぎて掻き壊してしまうこともなくなってきました。

当初は、人間の方がとても神経質になってしまった時期もあったのですが、最近では、食餌にしても痒みにしてもあまり神経質になり過ぎないように心がけています。細かいことは気にせず、ど~んと構えて、経過を見守っていこうかなと思っています。

ところで、ロッタの痒みがきっかけで始めた手作り食でしたが、実はそれ以外にもいくつかの恩恵にあずかりました。

ひとつは、便の調子がすこぶる良くなったことです。
ロッタはパピーの頃からお腹が弱く、しょっちゅう軟便や下痢で通院していました。
成犬になってからは、下痢で通院することは減りましたが、それでも便の後半はいつも軟便ぎみのものが出ていました。

ところがです、手作りを併用するようになってから、てきめんに便の調子がよくなったのです。コロコロとしたいい便が毎回出るようになりました。

便の調子がいいのは、腸の調子がいいことの証です。自然の食材には食物酵素が豊富に含まれています。これがまさに消化を助ける食物酵素の恩恵なのではないでしょうか?


そしてもうひとつ手作り食がもたらした恩恵。
それが「食べる喜び」です!

我が家のロッタは、食いしん坊で知られるラブラドールです。
以前から、何を与えても喜んで食べておりました。

でも、手作り食のおいしさを知った後はもう・・
食べ物を前にした時のキラキラした目の輝き・真剣度・食いつきが以前とはまったく違います。格段にパワーアップしているのです!

様子を見ていると、その真剣度合いに思わず笑ってしまいます。食べ終わってペロリンしながらまたお座りしている姿に「おいしかったの?」とつい聞きたくなってしまいます。

こんなにおいしそうに食べる様子を見せられてしまっては、もう、手作りはやめられません!

「食べる喜び」が感じられる。
これは、犬のみならず私たち飼い主にとっても無類の喜びであります。

『ご飯が見えると、つい体が前に出ちゃう・・・ジダンダ、ジダンダ
 は・や・く・ちょーだいよ~!』

こうして我が家の手作り食は今日も続くのでした。。



~我が家のかゆかゆストーリー 
ひとまず 完


★このストーリーに登場してきた身内の精肉会社というのが福島県会津にある(株)東部さんです。
(株)東部さんのご協力のもと、当サイト(R2-meat)は運営されています。